『ペドロ・パラモ』フアン・ルルホ

ストーリー
「コマラに行って、私たちを捨てた父、ペドロ・パラモに会いなさい。」死の床で母がファン・プレシアドに残した言葉。しかし、顔も知らない父を探して辿り着いた町コマラは、荒れ果てたとうもろこし畑に、かつてそこに生きた人たちの追憶や溜め息がささめく、死者の町だった。八月の熱い風がすえた臭いを放つ。野心に満ちたペドロ・パラモは、悪知恵と女をたらしこむ強引な魅力で、地主に這い上がっていく。しかし彼が唯一清らかに思い続けた幼なじみのスサナは、気がふれて逝ってしまう。ファンの異母兄弟ミゲルは、放蕩息子で殺人を犯し、その報いか事故で死ぬ。もう一人の義兄弟アブンディオは、貧しさのため妻子を無くし借金を断ったペドロ・パラモを父とも知らず殺す。彼らを贖罪することができない神父レンテリアは、銃を持ちゲリラとなって革命に身を投じる。
荒涼としたメキシコの大地に木霊する死者たちの無数の声。作曲家エストラーダは、原作者ルルフォの音と沈黙のコンセプトを研究し、人々の悲哀と嘆きと憤怒のささめきを、声にならない音として観客の心に響かせる。砕け落ちた音の破片は、出口のない社会の暗部に生きる人々の不安と恐れに呻く心の声や、人間の深層に宿る孤独や希望を、同時代として焙り出している。

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フリオ・エストラーダ・アンサンブル
メキシコ現代オペラ「原野のささめき」

—ペドロ・パラモを探して辿り着いた町。
しかしそこは、秘やかなささめきに包まれた
死者ばかりの町だった・・・・・・

メキシコ文学の金字塔、ファン・ルルフォ原作「ペドロ・パラモ」を、
現代音楽の巨匠フリオ・エストラーダが15年の歳月をかけてオペラ化。
原野にこだまする魂の声を、見事に音楽と視覚で表現した傑作。

舞台はメキシコ革命前夜。破滅に向かう人々の声にならない声が
充満する失楽園、コマラ。
生者と死者、愛と罪、現在と過去を行き交う時間は円環をなし、
神話のように世界を包む。
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日程:2010年12月21日(火)19:30開演
 22日(水)19:30開演
 23日(木・祝)14:00開演
於:スパイラルホール(地下鉄表参道下車B1,B3出口すぐ)
料金:全席自由 一般(前売:\5,500 当日\6,000)
              学生(前売・当日:\3,000)

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NPO法人 魁文舎 花光潤子
KAIBUNSHA, Junko Hanamitsu

〒103-0022
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HP: http://www.kaibunsha.net

学生時代に好きだった作家。
彼の故郷は石畳の町で、セピアの似合う町だった。
砂っぽくて、乾いた風が隙間を通っていくような。

観に行けないけど、それが日本で、しかもオペラで公演されるなんて。

また読み返したくなりました。

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