大般若会 報告

6時。目覚まし時計が鳴る。
起きたくないけど起きないと。

1階では住職の朝のご祈祷が聴こえてくる。

まだ朝日がでていない空を見上げると、西の空にはまん丸のお月様。
冬の夜空は目を覚ますのが遅くて好き。

ラジオからはラジオ体操が聴こえてくる。
今日の私の占いに体操が良いってことを思い出す。

なんとなくラジオ体操第一をやってみる。

5分もしないうちに横から茶々が。

「さっさとご飯食べて手伝いなさい。」

そうだった。今日は大般若。お寺の新年のご祈祷の法要だった。

8時。檀家さんがぞくぞくと集まってきた。

さぁ、今年もやるぞ!


手慣れた手つきでちゃっちゃと仕事をしてくれる檀家さま方。


もくもくと湯気をあげて炊きあがるぎんなんご飯。


できたての里芋のにっころがし。


別の鍋で別々の味付けをした人参、コンニャク、きくらげに胡麻が入った白和え。
ちょこっとの手間が味に深みを足してくれる。


お正月のご馳走。

他にも、
けんちん汁
大根の煮物
雪花菜
ごぼうのきんぴら
ナマスに筍の煮物

どれも手づくりの田舎料理。
そして大量に作るから野菜のお出汁がたっぷり!

今ではこんな料理を作っておもてなしするお寺は数少なくなったし、
こんな料理を食べれることも少なくなりました。

どこか懐かしくて、優しい味たち。


お供えするお膳も出来上がり。


今年の法要も華やかです。

大般若会のお経の豆知識は前回の記事から↓
http://teramusume.blogspot.com/2010/01/blog-post_26.html


今日だけ大きな太鼓が本堂に鳴り響く。

心に伝わる太鼓の振動。


多くの方に今年もお参りしていただき、


お琴の演奏で幕をしめた大般若会。

昔に比べ、確実に文化や風習への思いが変わってきている。

仏教の中に存在する昔から伝わる伝統行事。
姿形を時代に合わせながら変えながらも残っていく風習。

今の歳になったから感じるこの懐かしさに心に通ってくる思い。

なくしちゃいけない風習。
その中で生まれる人と人のコミュニケーション。

「伝えて行きたい味に心がある。」

改めて感じた今年の大般若会でした。

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