San Clemente : Ecuador 日時計のある暮らし
朝
ラウリータはトルティージャのパンをこしらえてくれた
外には大きな石のオーブンに釜戸
お嫁さんは台所で朝食を準備してくれていた
ベリーのジュース
絞り立てのミルク
手作りのヨーグルトにチーズ
スイカ パパイヤ たくさんのフルーツ
トルティージャに手作りジャムを合わせて
温かいココアをいただく
まだうす薄暗い朝靄の中で
男は動物の世話からはじまり
畑を耕し
女は家の中をほうきで掃き
台所に立つ
その言葉のほとんどない
姿や在り方だけで
物語る人々の暮らし
お父さんが自慢の畑を見せてくれた
肥料は裏のインバブラ火山から落ち葉を集めて堆肥にしたもの
彼らは日時計と共に農業をしている
大きな石で造られたストーンサークルの上に
石が積み上げれているのが日時計
種を蒔く 芽が出る 成長する 収穫する
この四つのサークルをひとつの人間の命の営みに当て
生まれ 可愛がり 手放し自由にさせ 晩年を迎える
こんな風に
夏至から始まる太陽の示すその影と共に
空から示される声を聞きながら
大地を耕していた
収穫された物は一年を通して食べていく
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